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改葬とは?手順と手続きで起こり得るトラブル|樹木葬辞典

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改葬とは?手順と手続きで起こり得るトラブル

改葬とは、今あるお墓から遺骨を別の場所へ移動させることをいいます。例えばお墓を受け継いだ長男が今住んでいる場所から遠いため、もっと近い場所にお墓を移したいといった理由などに伴い、近年では改葬を考える人が目立ち始めています。ここでは改葬の手順と手続き上のトラブル例の紹介をしていきます。


改葬とはお墓の引っ越しのこと

「改葬」とは、埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すことをいう。厚生労働省 | 墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)第2条より引用

近年耳にすることが多くなっている改葬。厚生労働省の統計によると、全国の改葬件数は2000年代に入ってから全体的にじわじわ増えており、ここ数年では、2017年度で104,493件、2018年度で115,384件と毎年10万件ほど実施されているようです。

【参考文献】
厚生労働省 | 平成29年度衛生行政報告例
厚生労働省 | 平成30年度衛生行政報告例

なぜ今改葬をおこなう人が増えているのかというと、深刻な単身世帯の増加があげられます。これまでの日本は家族が同じ土地に住み続け、その結果お墓は先祖代々、長男に受け継がれてきました。しかし、近年ではそういった日本の風習が崩壊しています。多くの会社の拠点は東京にオフィスをかまえ、また工場はグローバル戦略で本社を大都会に、事務所や工場は全国各地に、さらに海外にと展開しています。そのような時代背景もあり、受け継がれた家族が自分の活動範囲外にある地方のお墓にお参りにいったり、掃除をしたりなど守り続けるのは困難な時代になりました。残念な話ですが、誰も管理する人がおらず、誰のお墓か分からない無縁墓地も増加し、問題は深刻化しています。そこで、地方にあるお墓を無縁墓地にしないためにももっと家族にとって身近な場所へ移そうと考える人が多くなったのです。ちなみに改葬をする際にあわせて「墓じまい」という言葉も出てくるかと思います。改葬と墓じまいはとても似ていますが、墓じまいとは「今あるお墓を無くすること」を指し、改葬を行うまえの工程と考えてもらえばわかりやすいかと思います。

 

改葬とは手続きに改葬許可申請証が必要

改葬をする場合の主な手順は以下になります。

  1. 古いお墓から遺骨を取り出し
  2. そのお墓を更地にしてお墓を移動
  3. 新しいお墓の使用権を得て
  4. 遺骨を新しいお墓に入れる

上記のように4つの手順をふむと、改葬が完了します。しかしこの改葬手順を行っていくにあたり、行政によってまざまな許可や書類が必要になってきます。なぜ改装に許可などが必要になるのかというと、遺体や遺骨を取り出したり移動させると「犯罪」にかかわる行為をしていると誤解されることがあり、そう見られないためにも取り扱いは厳重に法律で決められています。法律に従わないと最悪「遺骨遺棄罪」などに問われることになるかもしれませんので、要注意です。「墓地、埋葬等に関する法律」の手続に従い粛々と行う事が必要です。改葬の事務的な手続は以下の通りです。

  1. 移転先の墓地管理者から「受け入れ証明書」をもらう
  2. 現在の墓地管理者から「埋葬証明書」をもらう
  3. 上記2種類の証明書を、現在の墓のある市区町村に提出し「改葬許可証」をもらう
  4. 「改葬許可証」を現在と移転先の墓地管理者に提示して遺骨を移動する

ここでのキーワードは「埋葬証明書」です。
受け入れ証明書はお墓の引っ越し先が発行し、改装許可証は行政が発行します。しかし埋葬証明書は今のお墓を管理する人から印鑑をもらうことになります。つまりこの管理者がお寺である場合は、住職に埋葬証明書の作成の依頼する必要があります。

 

改葬が原因で起きる寺とのトラブル

しかし近年、特に地方のお寺では檀家が減る一方で、同時に収入も減少しています。そのため今のお寺を離れて、違う場所にお墓を移す改葬を行いたいと申し出る人に対して「遺骨は返さない」、「改葬をするなら離檀料として100万円を支払ってほしい」などと住職に突き返されることもあります。しかしここで住職との関係を悪化させると、改葬許可証を作成してもらえない、印鑑を押してくれない、といったトラブルに発展してしまう可能性が高まります。ただし原則として、墓地管理者に改葬を拒否する権利はありません。もしも住職がへそを曲げて離檀の承諾を推してくれない場合は行政に相談して、お寺に話を聞くといったことしかできないようなので、改葬の相談は慎重に、かつ十分時間をもっておこなうことが得策でしょう。

改葬とは費用が80万円~150万円ほどかかる場合も

改葬の費用 | 離檀料の相場は一回分の法要布施ほど

一般的には、法要の際に渡すお布施の額と同じくの金額で良いといわれています。ただし離檀料はお寺の格や、これまでの付き合いの度合いによっても異なりますが、高くても20万円ほどで、これまでの感謝の気持ちは伝わるでしょう。そもそも檀家とは寺院や僧侶を経済的に支援する仏教信者のことを指します。経済的に支援してくれているお寺はその見返りに、その家の先祖代々の遺骨を預かり供養をし、その家族に仏教の教えを説き心のケアを行ってきました。これは代々檀家として先祖の供養を担当してきた、いわばかかりつけの病院ならぬ、かかりつけのお寺だった訳です。改葬をする際「きっとお寺から高額な金額を請求されるだろう」といきなり立ち去るなんてことはせず、きちんとお寺に出向き住職にこれまでの御礼を兼ねて挨拶をしましょう。

関連記事:檀家とは | 檀家制度の始まり、現代で檀家に入ることの意味

 

改葬の費用 | 改葬先を樹木葬や納骨堂にした場合は80万円ほど

先祖のためにお参りしやすいようにと考える改葬ですが、改葬には手続きが必要なうえに時間もかかります。また、お墓の引っ越し先の使用料の支払い、さらには古いお墓を更地にする費用、書類を受領する為の交通費などがかかるため費用もかさみます。改葬をおこなう場合は古いお墓の更地化は墓石業者で行いますから、信頼できる業者を選ぶのが大切です。改葬費用を概算しますと、墓石タイプのお墓から墓石タイプのお墓に改葬するなら200万~300万円程度はかかってしまうことでしょう。しかし、墓石タイプから樹木葬といった墓石を必要としない埋葬方法への改葬であれば、50~100万円程度と格段に安い費用でおさえられるかもしれません。

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改葬のトラブルを避けるために、改葬は家族でしっかり検討してからに

改葬をする人の多くが、お寺が管理する場所に墓石をたて、檀家に入っているお墓から納骨堂や樹木葬墓地へ引っ越しをするそうです。しかし、意外にも巨大なビル型納骨堂に引っ越しをしたのち、納骨堂の無機質な施設に「これで故人の供養になっているのかな、バチが当たらないかな」と不安になり、結局近所のお寺が管理する境内墓地に再度改葬をするといったケースも珍しくないようなのです。今あるお墓が古くなったから、お参りするのが遠くて大変だから、といった理由で本当に改葬してしまってよいのか、今一度よく考えてからおこなうようにしたほうがよいのではないでしょうか。

関連記事:墓じまいとは?改葬との違いや手順

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