親が亡くなったら、悲しいと思う間もなくやらなければならないことが押し寄せてきます。葬儀はもちろんお墓のことや死後の法要、そして相続の他にもやるべき手続きがたくさんあり、半年から1年の間は気が休まらないほどです。ここでは、親が亡くなったときにやるべきことを順を追って解説します。
親が亡くなったらやること1:葬儀の手配
親が亡くなった際、病院で死亡が確認された場合は何日間も遺体を霊安室に置いておくことはできないため、自宅や葬儀社の安置室などへ搬送しなければなりません。そのため、まずは葬儀会社への連絡が必要となります。突然のことでどこの葬儀社へ連絡して良いのか判断できなくない場合は病院が提携している葬儀社を紹介してもらうのも手です。
遺体が運ばれると、葬儀に向けた相談が始まります。一般的な葬儀であれば、逝去から通夜、葬儀、火葬に至るまで5日から1週間ほどのが見込まれます。また、人が亡くなると死亡届を1週間以内に市区町村役場へ提出しなければなりませんが、多くは打ち合わせの流れの中で葬儀社の担当員が代行して行ってくれます。
親が亡くなったらやること2:エンディングノートの確認
親はエンディングノートを残しているかもしれません。エンディングノートとは、自らのもしもの時のために残しておくノートで、葬儀やお墓、相続についての希望を書き込むものです。遺言書と違い法的な有効性はないものの、自由に希望を書き込めます。できれば、葬儀の手配を行うのと並行してエンディングノートを探したいものです。葬儀をした後にエンディングノートが見つかってしまったら、故人の希望がかなえられなくなってしまいます。
親が亡くなったらやること3:遺言書の確認
エンディングノートと同様に、親は亡くなる前に遺言書を書き残していることもあります。葬儀の手配をしている間に、仏壇の引き出しやいつも使っている机の中などを探しましょう。ただし、見つけた遺言書は勝手に開けてしまうのではなく、家庭裁判所から検認の手続きをしてもらわなければなりません。検認には相続人全員の戸籍謄本などが必要になるため時間がかかり、相続開始が遅くなってしまう恐れがあります。遺言書は早く見つけるに越したことはありません。可能であれば親が亡くなる前に、遺言書の場所を聞き出しておくことも良いでしょう。なお、遺言書が公正証書であれば検認は不要で、すぐに確認することができます。
親が亡くなったらやること4:生命保険金の請求
亡くなった親が生命保険に加入している場合、手が空いた時間帯に保険会社へ請求の相談をしましょう。ただし、保険金を受け取るには、保険金受取人となっている本人が保険会社に連絡をする必要があるので事前に受取人の確認をしておきましょう。
親が亡くなったらやること5:親族に相続の相談
「葬儀後すぐにお金の相談なんて…」と思いがちですが、親族が揃っているうちに相続の流れについてだけでも相談しておきましょう。相続に期限はありませんが、相続にまつわる法的手続きにはいくつか期限のあるものも存在します。相続の放棄は3ヶ月以内、故人が自営業者などだった場合の準確定申告は4ヶ月以内、相続税の申告と納税は10ヶ月以内です。遅くとも3ヶ月目までには故人の財産を全て洗い出し、遺言を把握していなければなりません。四十九日までに資料を揃えて相談するなどと、事前に打ち合わせておくことが大切です
親が亡くなったらやること6:役所手続きと申請すべき給付金の確認

葬儀が終わると、故人の保険証の返還や年金受給停止の手続きをしたりと、何かと役所手続きが発生します。また、加入していた保険や年金により、葬儀や埋葬の補助金として支給されるお金もあります。給付金の種類は加入していた保険や故人との関係によって違いますので、必ず一度は市区町村役場や年金事務所へ相談するのがよいでしょう。
親が亡くなったらやること7:各種ライフラインの停止や名義変更
親が亡くなった時、親が1人暮らしだった、または長く施設暮らしをしていて空き家と化していた場合は、電気やガス、水道の供給停止手続きをしておかなければ基本料金をずっと支払うことになってしまいます。同居家族がいる場合でも、各種引き落としが故人の口座になっている場合、早々に別の口座から支払うようにしなければ、ライフラインがストップしてしまいます。家族が滞りなく暮らせるよう、環境を整えましょう。
親が亡くなったらやること8:お墓の手配
四十九日に納骨法要をすることが決まったら、お墓の手配もしなければなりません。しかし、葬儀後にお墓を探し始めた場合は、四十九日までにお墓を完成させるのは難しいでしょう。お墓は高い買い物であるため、じっくり検討して納得のお墓を買えるよう、できる限り生前に買い求めておくのがおすすめです。もしも間に合わなかった際は、納骨は一周忌に行うなど、ゆったりとした日程を組む方が慌てずに済むでしょう。
親が亡くなったらやること9:四十九日の準備
葬儀が終わればすぐに、四十九日の法要の準備が始まります。できれば日時と場所だけは葬儀の際に僧侶と打ち合わせて、親族に告知しておきたいものです。四十九日の法要は、開催の1ヶ月前までに親族らへ通知を送り、参加・不参加の連絡を受けます。人数が定まったら、会食会場と料理の数や内容について打ち合わせをしましょう。
親が亡くなったらやること10:香典返しの準備
葬儀時にひとまずの即返しを終えたとしても、香典の金額に見合ったお返しができているとは限りません。「香典返しは半返し」といわれ、多額の香典をいただいたなら、追加で半額相当になるようなお返しの品を送るのがマナーとなっています。追加の香典返しは、四十九日を目途に送るものとされています。当てはまる人をリストアップし、誰に何を送るかを早いうちに決め、発注を済ませましょう。
以上、親が亡くなったときにやるべきことをお伝えしました。量がありますが、リストアップして一つひとつクリアしていくのが最も有効です。喪主は忙しい盛りであることが多いですから、なるべく専門家の力を借りましょう。各種手続きや相続関係なら行政書士や弁護士、葬儀・法要関係なら葬儀を行う会社の葬祭ディレクター(葬祭プランナー)、お墓のことならお墓ディレクターなどが、頼もしい相棒の役割を果たしてくれるはずです。
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