散骨は山に撒くことはできる?
近年注目を集めている葬送の一つとしてあげられる「散骨」。散骨とは、海で行うことが一般的ですが、山で行うことも可能です。ただし、山で散骨を行う場合は山の所有者に許可を受ける必要があり、思わぬトラブルに発展する場合もあるため注意が必要です。ここでは山で散骨を行う場合の注意点について紹介します。
自然葬とは?定義や言葉の意味、自然葬の種類について|樹木葬辞典
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自然葬とは、「亡くなったら自然の循環のなかへ還っていきたい」という思いを叶える葬法です。遺骨を海へ撒く海洋自然葬が代表的な自然葬で、他に山や川に撒くケースもあります。自然葬の考え方と、その種類について解説します。
自然葬という言葉が初めて世に出たのは、1991年のこと。市民団体の「葬送の自由をすすめる会」が発足したときに作成された「会結成の趣旨」のなかで使われましたようです。同会は散骨が違法ではないことを訴え、墓を作らずに遺骨を自然の循環のなかへ還す散骨を「自然葬」と称したことがきっかけと言われています。91年9月には「第一回海洋自然葬」と題した海洋散骨を実施し、法務省から「葬送の一つとして節度をもって行われる限り、遺骨遺棄罪には当たらない」との見解を得たことから一躍話題となり、自然葬という言葉は現代語辞典などに掲載されるまでになりました。
民俗学のプロが執筆する『民族小事典 死と葬送』(吉川弘文館/2005年)には「墓へのこだわりを捨て、遺体を自然へ還そうとする葬法」とあり、「デジタル大辞泉」には「墓などを建てず、火葬後に砕いて粉状にした遺骨を山や海にまいて自然に還ることを願う葬法」とあります。このことから、「自然葬」の辞書的な意味において重要なのは、墓を作らないまたは墓へのこだわりを持たないこと、遺体または遺骨を自然に還すことの2つであると考えられます。
前述の通り、自然葬という言葉は自然発生的に生まれたのではなく、「すすめる会」が意図的に散骨を意味する言葉として作りあげたものであるといって良いでしょう。言葉が生まれた1991年、日本において自然に還ることのできる葬法といえば散骨くらいのものでした。したがって、しばらくは「自然葬」イコール「散骨」という図式が一般的でした。しかし、1999年、岩手県に日本初の樹木葬墓地が誕生してから、自然葬の意味は曖昧化してきます。
樹木葬とは、墓石の代わりに樹木を植えて墓標とするお墓で、当初は骨壺から出した遺骨をサラシなどに包んで納骨することがほとんどでした。そのため、自然と共生したいという強い願いが感じられるため、樹木葬を自然葬の一つとして捉える向きも出てきました。
また、「すすめる会」では自然葬という言葉を何らかの形で定義づけを行ったり、商標登録などをしたりといったことを行いませんでした。そのため最近では、墓石ではなく樹木を墓標とする樹木葬のことも自然葬と呼ぶ傾向があります。しかし、樹木葬は墓標が樹木であるだけで、お墓の一種です。「お墓を作らない」という「すすめる会」が込めた意味からは外れます。このように、「自然に還る」というイメージを基準にすると、土葬や風葬といったものまで自然葬に含まれてきます。最近では、樹木葬も自然葬の種類の一つとする流れもありますが、ここではあくまで「お墓を作らない」「自然に還る」という2つの条件を満たした葬法を自然葬として紹介します。
自然葬の種類は、長く2つに絞られてきました。それは、海や川に遺骨を撒く自然葬と、陸地に遺骨を撒く自然葬です。このうち、圧倒的に数が多いのが海への自然葬で、海洋自然葬と呼ばれています。ただ、近年「これも自然葬の一種かも知れない」とささやかれているものがあります。それが、大きなバルーンに遺骨をこめて空へ浮き上がらせるバルーン葬です。バルーン葬はお墓の必要がないこと、遺骨が大自然へ還っていくことで、散骨と一致しています。新しく生まれた空への自然葬といって良いかもしれません。それでは次に、それぞれ「海や川への自然葬」「陸地への自然葬」「空への自然葬」として解説します。
海や川へ遺骨を撒く自然葬は、条例で散骨が禁止されていない地域であれば、法的にはどこで行っても構いません。ただし、いくつかのマナーがあります。まずは海水浴場や漁港など、人がたくさん集まる海べりでは行わないことです。また、他の目的で訪れている人たちから目立つところで自然葬を行うのも問題です。フェリーなどで、なるべく海べりから離れましょう。乗船するときに喪服を着用しないこととしている散骨業者もあります。また、自然に還らないものを海や川へ投げ込むのはやめましょう。供養のため、遺骨を撒いた場所へ花束を流すときには、花束を包んでいるビニールなどを剥がすのがマナーです。なお、遺骨は1センチ以下にまで粉砕し、風が舞って遺灰をかぶってしまわないよう、水溶性の紙で遺灰を包みます。
山や林など、自分が生まれ育った土地に散骨されたいと願う人もいることでしょう。しかし、陸地への自然葬は海や川への自然葬と比べてかなり難しいと言えます。それは土地の所有者の許可がなければ行うことはできず、土地の所有者から散骨の理解を得ることから始めなければならないやめ、陸地に散骨できる場所を確保している業者もかなり少ないのが現状です。自分の私有地内であればもちろん自然葬は可能ですが、これにも近隣からの理解を得なければトラブルに発展し兼ねないため、陸地での自然葬はやはり難しいでしょう。
空への自然葬は、現在日本では実施している会社が少なく、宇都宮市の会社が「バルーン宇宙葬」として展開しています。同会社が提案するバルーン宇宙葬とは、大きなバルーンの中へ遺骨を込めて空へ飛ばします。バルーンは高度30キロから35キロの成層圏で破裂し、遺骨は空に漂います。空の旅が好きだった人にはぴったりといえるでしょう。ただしバルーン葬で空へ葬れる遺骨の量は骨壺に入っている遺骨全てを撒けるわけではなく、限られているのが特徴です。どうしてもお墓を作りたくない場合は、海洋自然葬などと合わせて行うのがよいでしょう。また、遺骨をロケットに入れて飛ばす宇宙葬も、お墓を作らないという意味では自然葬といえるように思えます。しかし、遺骨をそのまま宇宙に漂わせるわけではなく、多くは金属の筒型骨壺へ遺骨を込めたままにするため、自然に還るとは言い切れないでしょう。
自然葬という言葉は「葬送の自由をすすめる会」が初めに使った言葉ではあるものの、同会が言葉の使用について何らかの権利を持っているわけではありません。また、自然葬がどういうものなのか、明確な定義を決めているわけでもありません。むしろ誰もが自由に使える言葉だからこそ、自然葬という言葉がこれほどまで世間に広まったといえるでしょう。
自然葬が発生した経緯をわきまえつつ、どんな場面でそう呼ぶことがふさわしいかを考えていくのは、これからを生きる私たちではないでしょうか。自然に還るという意味では、散骨や樹木葬のみならず、水葬や土葬、鳥葬なども自然葬と考えられます。墓を作らないという意味では、遺骨をロケットに入れて飛ばす宇宙葬、大きな風船の中に遺灰を入れて空に浮かべるバルーン葬なども、自然葬といえるのかもしれません。それでは、火葬場から遺骨を引き取らないゼロ葬はどうでしょうか。様々な新しい葬法が現れるごとに、自然葬の意味は広く深くなってゆくことでしょう。また、このような新しい葬法をまとめて「自由葬」と呼ぶ動きもあります。しかし、自由葬とは無宗教の葬儀のことであるとする人たちもおり、葬法の定義を決めることは、一筋縄ではいかないようです。
いかがだったでしょうか。自然葬を望む理由は、人によってさまざまです。たんに「自然に還りたい」「お墓を作りたくない」という理由であれば、場所にはこだわらないという人が多いでしょう。一方、「自分の生まれ育った土地に眠りたい」「思い出のあの場所に眠りたい」という要望があれば、特定の場所のなかで自然葬ができるポイントを探さなければなりません。まずはどこに眠りたいかを明確にすることが肝心です。
当サイトではおすすめの樹木葬ランキングや自然葬や永代供養墓についても解説しています。是非ご参照ください。樹木葬辞典|樹木葬・自然葬・永代供養墓を解説
近年注目を集めている葬送の一つとしてあげられる「散骨」。散骨とは、海で行うことが一般的ですが、山で行うことも可能です。ただし、山で散骨を行う場合は山の所有者に許可を受ける必要があり、思わぬトラブルに発展する場合もあるため注意が必要です。ここでは山で散骨を行う場合の注意点について紹介します。
自然葬 (しぜんそう)とは、人工物を用いない葬送と考えられています。従来のお墓のように、墓碑に石を使ったり、遺骨を収納するカロートを使用しないとされることが一般的で、散骨や樹木葬などが自然葬のひとつとして考えられています。近年この自然葬の人気が高まっているのですが、これは葬送方法が大変多様化してきており「自由な眠り方」の考えが広まってきていることから、注目を集めているといえるでしょう。
近年話題のペット樹木葬とは、今急速に普及しはじめています。とくに、石のお墓ではなく樹木を墓標とするペット樹木葬は自然に近い埋葬方法として、「天国でも動物たちが自由に駆け回ることができるのでは」といった思いから人気を集めています。ここではそんなペット樹木葬の価格や手続きの流れをご紹介します。
散骨とは遺骨を細かく砕き粉状にして、海や河、陸地に撒くという葬送方式です。古代より人は死して自然に戻ると言われていた為、散骨は世界中で行われていたといえます。近代になり「お墓」に埋葬するのが文化的であるという理由等から散骨は遠い存在となっていましたが、昨今では最も自然に近い葬送であることから、再注目されています。
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