墓不足は本当?墓余りとも
高齢化社会を迎えた現代では、「お墓が不足している」とよくいわれます。しかし、その一方で、お墓が余り、経営に困る寺院が出はじめているといううわさも耳にします。墓不足と墓余り、一体どちらが本当なのでしょうか。墓不足の実際を探ります。
海外の葬儀と埋葬方法 | アメリカ・中国・インド|樹木葬辞典
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日本の葬儀や埋葬方法には樹木葬や納骨堂、散骨など新しい波が来ていますが、世界の葬儀・埋葬方法はどのようになっているのでしょうか。日本のものと比較しながら紹介していきます。
海外の葬儀・埋葬方法の前に、日本の葬儀・埋葬方法の主流はどのようになっているのかを簡単に紹介します。日本の場合、火葬後にお墓へ納骨するのが主流と言われていますが実際はどうでしょうか。火葬と土葬の割合を見ていきたいと思います。厚生労働省が発表した2015年度の衛生行政報告例「埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数,都道府県-指定都市-中核市(再掲)別」によると、火葬と埋葬(土葬)の全国総数と割合は以下のとおりです。※土葬という用語は法律上使われておらず、墓地、埋葬等に関する法律」では土葬のことを埋葬と定義しています。
この統計結果から分かるように、ほぼ100%に近い割合で火葬が採用されており、これは世界的にも見てもトップクラスと言われています。
また、墓地を所有している割合も見ていきます。日本消費者協会が発表した2010年の「第9回『葬儀についてのアンケート調査』報告書」によると、割合は以下のとおりです。
日本人の約6割の人が墓地を所有していることになります。この統計結果からやはり日本の葬儀・埋葬方法の主流は火葬後に石のお墓へ納骨するのが主流となっていると言えます。
参考文献:2015年度の衛生行政報告例「埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数,都道府県-指定都市-中核市(再掲)別」
参考文献:公益財団法人生命保険文化センター「お墓がある人の割合や費用を知りたい」
世界の葬儀・埋葬方法は、その国の宗教や慣習、思想、法律などによって変わります。それでは、いくつか代表的な国をあげて、世界の葬儀・埋葬方法の違いを紹介していきます。
アメリカでは主にキリスト教の思想による葬儀・埋葬方法で行われます。実際にアメリカでキリスト教を信仰している割合は7割に達すると言われており、葬儀場は教会の施設を併設しているところが多くなっています。日本の通夜に相当するビューイング(Viewing)が行われることが特徴です。アメリカでは土葬が中心ですが、意外にも火葬も行われています。ただし、日本よりもはるかに火力が高い火葬炉で焼き上げられるので、骨の形はほとんど残らず遺灰にしてしまうそうです。
参考文献:キリスト教会葬儀研究所(Christ Church Funeral Institute)
日本の場合、通夜や告別式では静かに最後の別れを告げるのが一般的です。しかし、中国の場合は日本とは反対に、派手に行うのが一般的です。例えば爆竹やドラを鳴らす、紙幣に見立てた紙を燃やす、泣き叫ぶなどをして見送ります。葬儀を盛大に行い悲しい感情を素直に表現して見送るということで、祖先を大切にするという儒教の教えを守っているようです。埋葬方法は土葬そして火葬が行われています。ただし、日本と同様に安徽省(あんきしょう)などでは、土葬を禁止しているところもあります。
インドではヒンズー教を信仰している割合が8割近くを占めているので葬儀・埋葬方法はヒンズー教の教えにもとづいて行われます。インド(ヒンズー教)の葬儀・埋葬方法で特徴的なことを挙げていきます。
ヒンズー教ではガンジス川は聖なる川として特別な存在でその川に入れば罪や穢れが流されると信じられています。そのため火葬後の遺骨はガンジス川に流して清めます。
前述の通りガンジス川に遺骨を流してしまうのでお墓はありません。ただし、ヒンズー教に限ってのことなので他の教徒の場合はお墓を持っていることもあります。有名なタージマハルは昔のお墓ですがイスラム教徒を祀ったものだそうです。
現代では一部地域のみのようですが、火葬もせずに遺体をそのままガンジス川に流してしまうところもあるようです。
日本の葬儀・埋葬方法は、火葬後にお墓に納骨するのが主流と説明しました。しかし、その方法にも少しずつ変化が出ています。そこで、どのような新しい方法があるのかを簡単に紹介していきます。
樹木を墓石に見立てて、埋葬する方法です。墓石を用意する必要もないため、墓地の管理や後継者がいなくなり無縁墓になる心配がありません。石の下に入りたくない、自然に還りたい方におすすめの埋葬方法です。
遺骨を埋葬するのではなく、お寺やお寺などが運営する屋内施設に安置する方法です。いわゆる永代供養になり、一定期間、納骨堂に遺骨を預けたあと、他の遺骨と一緒に納骨する合祀が一般的です。一度納骨を済ませれば、残りは施設を運営する管理者やお寺で供養や管理してもらえるため、無縁墓となる心配がありません。後継者がいない、墓石の管理で子供や孫世代に迷惑をかけたくない人におすすめの埋葬方法です。
パウダー状にした骨を海に流す、海洋散骨があります。また、前述した樹木葬も墓地として認められた陸地に遺骨を撒くことができるので、散骨の1つの方法と言えます。他には、骨の一部をロケットやバルーンで宇宙に飛ばす、宇宙葬があります。ロケットで宇宙に飛ばす場合、プランによっては数百万円になるものもあります。自然に還りたい方、今までと違う方法を考えていましたら、おすすめのです。
このように日本だけでなく世界を見渡すと、宗教や文化、思想などにより、葬儀・埋葬方法は大きく異なります。そして時代にあわせて、葬儀・埋葬方法が変わり、これからも変わっていきます。希望の葬儀・埋葬方法がありましたら、家族の方そして葬儀会社などに早めに相談することをおすすめします。
当サイトではおすすめの樹木葬ランキングや自然葬や永代供養墓についても解説しています。是非ご参照ください。>>樹木葬辞典|樹木葬・自然葬・永代供養墓を解説
高齢化社会を迎えた現代では、「お墓が不足している」とよくいわれます。しかし、その一方で、お墓が余り、経営に困る寺院が出はじめているといううわさも耳にします。墓不足と墓余り、一体どちらが本当なのでしょうか。墓不足の実際を探ります。
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