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無縁墓化はどうして進んだ?問題の背景を解説|樹木葬辞典

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無縁墓化はどうして進んだ?問題の背景を解説

最近、お墓参りに出かけていますか?お盆、お彼岸、命日と、欠かさずお墓参りをするという人は稀ではないでしょうか。「せいぜいお盆の帰省時にお墓参りをするくらい」という人を多く見かける現代では、無縁墓が増えているといわれています。無縁墓化が進む背景について解説します。

無縁墓が進む理由


無縁墓の増加は現代の核家族化と過疎化が生んだ問題

無縁墓化の背景には、現代日本が抱えている地方の過疎化問題とも関係します。日本では高度成長期前後から人口が都市部に集中する現象が起こり、そのまま都市で家庭をつくる人が増え、核家族化が進みました。すると地方は過疎化に陥り、お墓の継承者がいない、いても遠くてなかなかお墓参りができないという状況が多発し無縁墓化が進んでしまいました。実際、2013年に熊本県人吉市が行った調査では、市内の4割ほどの墓が無縁墓となっていることが分かりました。人吉市の人口は1980年代からのおよそ30年で3割ほど減少し、65歳以上の割合が30%を超えていることから、典型的な過疎化・高齢化が進む町であると言えるでしょう。このように、地方の過疎化と無縁墓化はつながっています。

参考文献:平成26年6月第4回定例会 墓地について

 

無縁墓化はこれから更に進んでいくと懸念される

無縁墓化は、地方に限ったことではありません。大阪市の管理する霊園では、15年間に4000基ほどの無縁墓を撤去したという報告も入っています。市が戸籍調査を行っても継承者と連絡を取ることすら叶わないというのは、よほどのことと思われます。どうして人口の多い都市部においても無縁墓が目立ってきたのかは明らかになっていませんが、一つ原因として考えられるのは少子化とライフスタイルの多様化と言われています。結婚する、子どもを産むということが当たり前の生き方ではなく、選択肢の一つとなってきたことにより、非婚化・少子化が進んでいます。そのため、将来において墓の継承者が足りなくなることは明らかでしょう。

参考文献:墓が捨てられる ~無縁化の先に何が~ – NHK クローズアップ現代+

 

無縁墓が生じる理由1:お墓が遠方にある

無縁墓化に悩む男性

お墓は、突然無縁墓となるわけではありません。次第にお墓参りに訪れる人が少なくなり、長くその状況が続いた結果、無縁墓となってしまうのです。継承者である長子などが実家から遠く離れた土地に住んでいる場合は、無縁墓予備軍であるといえます。なかなかお墓参りに行けないのはもちろん、法要や盆、彼岸の供養など、何をどうすればよいのか分からないというケースが多いためです。実家の近くに暮らしていれば、折に触れてお寺や住職との付き合い方を両親から学べたでしょうが、遠くに住んでいると仏事についてなかなか学ぶ機会がありません。学ぶ機会のないものからは、関心が薄れてしまうのも当然です。寺や住職と没交渉になり、次第にお墓参りもおっくうになってしまうことが考えられます。

 

無縁墓が生じる理由2:お墓が山の上にある

実家の両親が健在の場合でも、無縁墓の予備軍になってしまうことがあります。高齢により足腰の筋力が弱まると、長い階段を上らなければたどり着けないお墓には通いづらくなります。特に地方のお墓は見晴らしの良い山の上に立っていることが多いものです。高齢者はお墓参りに行きたくても行くことができず、お墓を手入れしてくれる人がいないため、次第に無縁墓化していきます。

 

無縁墓化を防ぐには?改葬で無縁墓化から抜け出せる

何とか無縁墓化を止めたいときには、お墓の引っ越しが有効です。お墓の引っ越しは「改葬」と呼ばれ、今のお墓を更地にし、新しいお墓などへ移すことを指します。無縁墓予備軍に陥っていると感じるなら、もっとお墓参りをしやすい場所へ改葬することを考えてみてはいかがでしょうか。継承者の住まいの近くへ、あるいは山の上からもっとお参りしやすい場所へお墓を移すだけでも、ずいぶん安心できます。改葬の流れは、まずは新しいお墓探しから始まります。並行して今あるお墓の管理者にも相談しておきましょう。寺院墓地であれば、管理者はお寺の住職です。理想のお墓が見つかり、今のお墓の管理者からも許可を得たら、市町村役場へ改葬手続きに向かいます。新しい墓地の管理者からは「受入証明書」を、今のお墓の管理者からは「埋葬証明書」をもらうことが必要になるため、注意しましょう。また、新しいお墓を作らずに思い切って納骨堂などで永代供養をしてもらうなどお墓参りをしなくてもよい供養方法に変えるという手もあります。

関連記事:改葬とは?改葬の手順・改葬手続きで起きるトラブル

 

無縁墓にしないために、早め早めの行動を

以上、無縁墓化の背景についてお伝えしました。無縁墓が増えている原因は、現代日本の社会問題とまっすぐつながっています。過疎化や高齢化、少子化などは「解決すべき問題」として暗く捉えられがちですが、それが現代人のライフスタイルを全否定してしまうことになったら、そのことのほうが問題です。先祖供養はとても大事なことですが、「お墓を無縁にしてはいけない」と無理にその土地へしがみつくより、改葬を検討したほうが明るい将来のために有効なのかもしれません。先祖も自分も納得のいくお墓の行き先について、模索してみましょう。

 

当サイトではおすすめの樹木葬ランキングや自然葬や永代供養墓についても解説しています。是非ご参照ください。>>樹木葬辞典|樹木葬・自然葬・永代供養墓を解説


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