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戒名の受戒から宗派による違い|樹木葬辞典

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戒名の受戒から宗派による違い

戒名とは、本来、仏教において、受戒(じゅかい※入門するための戒めを受けること)によって与えられる名前です。そのため、生きている間に仏弟子となる事を志願して、戒名を授けられるというのが普通でした。やがて、亡くなった人に受戒の儀式をして戒名を与える事により、故人が仏の弟子となり、さらには仏そのものとなる事を願うようになります。これが、現代における戒名の一般的な意味です。ここでは、もう少し詳しく戒名の概要を説明するとともに、宗派それぞれの戒名の形式について紹介します。

戒名,位牌


戒と戒名を授かる儀式、受戒とは

受戒の「戒」とは、簡単に言ってしまえば、仏の弟子が守るべき道徳の基準となるルールの事です。受戒する、とは、この戒律を師から授けられ、保つことを誓う儀式を言います。受戒の時は、それまで自分が行ってきた悪行について懺悔し、身を清めて、仏法僧つまり、仏様と、その教えである法と、僧侶の三宝と呼ばれるものにまず帰依(きえ)します。帰依とは、信じて拠り所とする事です。出家しないで仏の弟子となるか出家して僧侶になるかによって、守るべき戒が違います。

出家しない場合の戒

基本的には「殺さない=不殺生(ふせっしょう)」・「盗まない=不偸盗(ふちゅうとう)」・「みだらな行いをしない=不邪淫(ふじゃいん)」・「嘘をつかない=不妄語(ふもうご)」・「酒を飲まない=不飲酒(ふおんじゅ)の、五種類の戒を守れば良いとされます。

出家する場合の戒

出家する場合の戒が一番厳しく、具足戒(ぐそくかい)と呼ばれています。「具足」とは物事が十分に備わっている様を表し、完全なる戒であることを指します。『四分律(仏教の戒律を定めた書物)』では、男性は250、女性は348もの戒を遵守しなければならないとされています。

 

戒名を授かるための場、戒壇(かいだん)とは

受戒の儀式を行う際、古くは結界が張られ、後には壇を作ってその上で行われるようになりました。これを戒壇と呼びます。結界と言うと何やら怪しいイメージを持たれるかもしれませんが、仏教における結界とは、場所を決めて、境界になる石を置き、聖なる目的のために利用されるものです。

 

戒名の構成とその意味

一般的に戒名と思われているものは、実は「道号(どうごう)」「戒名」「位号」からなっています。道号の上に、さらに「院号(いんごう)」が付けられる場合もあります。

「院号」

「院号」とは、もともとお寺やその維持のための土地を寄進した人に与えられていました。「院号」の「院」とは、僧侶が修行する場所であるお寺の事です。院号と同じ位置に付けられますが、さらにランクが上のものとして「院殿号(いんでんごう)」があります。有名な歴史上の人物では、足利尊氏(あしかがたかうじ)が、「等持院殿(とうじいんでん)」という院殿号を授かっています。

「道号」

「道号」とはもともと、その人が得た悟りの境地、道についてゆかりのある文字を付けていましたが、現代においては本来の意味が薄れただの別名として付けられることが多いようです。地名や山名がそのまま道号として使われる場合もあります。

「戒名」

先述の通り、「戒名」とは仏弟子となった証に付けられる名前です。宗派によっては「法名」とも言います

「位号」

「位号」とは、仏教徒としての位の高さを表すものです。性別や年齢、お寺にどれだけ貢献したか、また、社会的にどれほどの功績を残したかによって異なります。位号には「居士(こじ)」「大姉(だいし)」「信士(しんじ)」「信女(しんにょ)」などがあります。

 

戒名の宗派による違い

戒名は、二文字が原則です。また、師弟関係により教えを継承していく事を重んじるため、自分で戒名をつける事はあまり推奨せず、亡くなられた人の師となる導師より授ける事を基本とします。それぞれ代表的な宗派の形式は以下となります。

浄土宗

浄土宗の戒名

浄土宗の戒名では、「誉号(よごう)」が院号と戒名の間に付けられることがあります。「誉号」は五重相伝を受けた証として付けられるとされていますが、地域によっては関係なく用いられる場合や、代わりに「空号」が用いられる場合もあります。

浄土真宗

浄土真宗の戒名

浄土真宗では、戒名と言わずに「法名」と言います。他の宗派の形式と異なり、(院号)+釋号+法名という短い構成になっており、戒名がありません。浄土真宗では「受戒」せずとも仏弟子であれば救われるという考えのため、死後に受戒し戒名を授かる必要が無いためと言われています。

曹洞宗・臨済宗の戒名

曹洞宗・臨済宗の戒名

曹洞宗では、位牌の上に「新帰元(しんきげん)」という言葉が書かれている事があります。
これは戒名ではありません。亡くなった人がこの世を去り、すべてのものが生まれ、そして元へと帰る事を意味する言葉です。

日蓮宗

日蓮宗の戒名

 

日蓮宗では、戒名として日蓮の「日」を取り入れた「日号」が入ります。「日」の後の一文字には俗名の一部が使われることが多いようです。

※戒名の形式は代表的なものを紹介しています。戒名の形式には地域や寺院によって異なる場合があります。

 

戒名とは?まとめ

一般的に戒名と呼ばれているものは仏弟子に与えられる名前である事、そして、広い意味で戒名と呼ばれているものはいくつかの要素に分けられる事、戒名の宗派による違いを紹介しました。自身の戒名が死後どうなるのかについて知りたい場合は、入る予定のお墓があるお寺菩提寺に確認してみてください。

参考文献:小島泰道(2016)『曹洞宗の葬儀と供養~おくる~』株式会社水曜社

 

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