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施餓鬼(せがき)とは?お盆やお彼岸と同時にお寺で行われる行事|樹木葬辞典
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お盆にお墓参りへ行ったとき、お寺のほうにみんなが集まって法要をやっているのを見たことはありませんか。お盆やお彼岸には、多くのお寺で「施餓鬼(せがき)法要」が営まれます。施餓鬼の意味や、参加方法について紹介します。
餓鬼とは、亡くなった後に餓鬼道(がきどう)に堕ちてしまい苦しんでいる人たちに、お供え物をしたりお経を唱えたりすることで苦しみを癒してもらう行事です。餓鬼道に堕ちるのは、生前にむさぼる心を持っていた人や、卑しい行為をした人とされています。施餓鬼は、常に飢えと渇きに苦しんでいるとされる餓鬼に施しをすることで、自らの徳につなげるのがねらいです。もっとも、施餓鬼の解釈や、施餓鬼が行われるかどうかは、宗派やお寺の方針によって違います。例えば浄土真宗のお寺では、あまり施餓鬼を行いません。これは、浄土真宗が「亡くなれば必ず極楽浄土に行ける」という教えからきているといわれています。また、曹洞宗では「施餓鬼」とはいわず、「施食」と表現します。施す者と施される者との間に貴賤があると、「卑しいものに施しを与えてあげる」という尊大な気持ちを持つことにつながり、それは仏さまの教えにそぐわないという考え方からです。
施餓鬼を行う時期に厳密な決まりはなく、また1年に1度だけ行うものでもありません。多くのお寺ではお盆やお彼岸など他の年中行事と一緒に施餓鬼が行われます。なかでもお盆に施餓鬼を行うお寺が多いのは、お盆の時期は「地獄の窯のフタが開き、亡者がこの世に降りてくる」とされていることに由来します。懐かしい先祖とともに、餓鬼道に堕ちた者たちもこの世に訪れるため、先祖と一緒に餓鬼の供養をしようということで、施餓鬼が行われるのです。もっとも、多くの地方において、お盆はもともと「先祖だけではなく餓鬼にもお供えをする」ものでした。先祖のためにお供えをする「盆棚」を作ると同時に、「餓鬼棚」を作る風習があったのはこのためです。このことからも、お盆の時期に施餓鬼を行うことは自然の流れといえるでしょう。
お寺の檀家になっている家には、お盆が近くなると、菩提寺から施餓鬼法要の案内が届きます。参加は自由ですが、家族が亡くなってから初めてのお盆である新盆など、先祖供養の目安となる年に参加する家が多いでしょう。毎年必ず参加するような信心深い人もいれば、一度も参加しない人もいます。方針は、人それぞれです。また、お寺によっては、施餓鬼法要と結びつけて縁日や法話会といったイベントを行うことがあります。お寺側は、法要を機に多くの人々の縁をつなげたいという祈りを込めてイベントを行います。よって、例えば檀家ではない人がイベントだけに参加しても、特にとがめられることはありません。むしろ歓迎されるでしょう。
施餓鬼法要に出ることになったら、お布施を用意しましょう。お布施の金額は、3,000円から1万円ほどが相場です。施餓鬼法要の案内ハガキに料金についての案内がないかチェックし、あれば指定の金額に従いましょう。なければ相場の範囲内で用意して構いませんが、念のため年配者にアドバイスをもらえれば安心です。お布施を入れるための袋は、白黒または黄色に白の水引がプリントされた不祝儀袋(色は地方によって違う)か、たんに白い封筒を使います。表書きは「御布施」としましょう。ただ、お寺によっては専用の封筒が用意されていたり、受付でお札を裸のまま渡したりする形式のときもあります。ただ、しきたりがわからない初めのうちは、自分で用意した封筒に「御布施」と表書きを書き入れ、持参するのが無難です。
施餓鬼は、法要といえどもお寺の年中行事の一つですから、喪服を着なくても構いません。普段着で十分ですが、赤や黄色といったハッキリした色合いの服は避け、黒、グレー、ブラウンといった落ち着いた色味の服を選ぶとよいでしょう。お寺にイスがなく、座敷に正座するような場合には、膝をしめつけるジーンズははいて行かないようにした方が無難です。また、喪服でなくても数珠は必須ですから、忘れないよう注意しましょう。
以上、施餓鬼について詳しく紹介しました。自分の先祖だけではなく、普段は供養の対象とならない餓鬼にも施しをするのが施餓鬼です。参加するときには、お布施の金額や持参の仕方などについて、なるべく年長者にたずね、疑問を解消してから用意するようにしましょう。
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