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お釈迦様の命日、涅槃会では何が行われるか|樹木葬辞典
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2月15日には、全国各地のお寺で涅槃会が行われます。涅槃図を掲げ、甘酒やお団子が振る舞われることもあるこの涅槃会は、どのような行事なのでしょうか。お寺の年中行事の一つである涅槃会について解説します。
涅槃会とは、お釈迦様が入滅した日、つまり命日に行われる法要のことです。お釈迦様の命日は不明ですが、中国で2月15日に涅槃会を行うと定めたことから、日本にもそれが伝わりました。旧暦の2月は現在の暦の3月にあたるとして、3月15日に涅槃会を行うお寺もあります。涅槃会では、お釈迦様が入滅したときの様子を描いた涅槃図が掲げられ、お供え物をし、読経を行います。とくに有名なのが、奈良にある興福寺の涅槃会です。興福寺では、天平年間である750年頃から涅槃会が行われています。
涅槃会は、涅槃図をじっくり見ることのできる最大の機会です。入滅のとき、お釈迦さまは頭を北に向けて西向きに横たわり、心臓のある左側を上にして楽な姿勢を取ったといわれています。そこから、死者が出たときには「北枕」といって北に頭を向けるしきたりが生まれました。また、「西方浄土」といって、お釈迦様の見た西のほうに浄土があるのだと信じられてきました。入滅の際、お釈迦様のまわりは多くの弟子たちや動物が取り囲み、その死を悲しんだといわれています。悲しんだのは人や動物ばかりではありません。寝床を囲むように生えていた8本の沙羅双樹のうち、4本が白く枯れ、4本は一斉に白い花を咲かせて悲しみをあらわしたとされています。涅槃図は、その全てが描かれた絵です。あまりにたくさんの要素が描かれた壮大な図なので、涅槃会のときには絵解きといって、涅槃図の解説をしてくれる寺院もあるほどです。
釈迦の死は「入滅」と呼ばれます。「では、涅槃とはなに?涅槃も、同じ意味を指すの?」と疑問に思う人もいるでしょう。涅槃とは、仏教にとって生死を超えた悟りの境地をさし、涅槃に到達することができるよう、僧侶は修業をすすめます。108もの煩悩を全て捨て去り、輪廻転生のサイクルから解き放たれ、永遠の安らぎを得た状態です。この意味から転じて、仏の境地に達した人が亡くなること、つまり釈迦の入滅も、涅槃と呼ばれているのです。
全国さまざまな寺院に、さまざまな涅槃図が所蔵されていますが、日本で一番大きい涅槃図を所蔵しているのが、京都市の泉涌寺です。縦16メートル、横8メートルにも及び、壁の高さが足りないのでコの字型に折り曲げて公開されます。なぜ壁の高さよりも高い涅槃図をつくったのかといえば、もともとは東大寺に奉納する予定だったためだといわれています。泉涌寺の涅槃会は3月15日を中心に行われ、中日である15日に法要が営まれます。
東福寺の涅槃図もまた、泉涌寺に負けず劣らず有名です。室町時代にあらわれた臨済宗の画僧である明兆の作品といわれています。細やかな描写と鮮やかな色遣いが何とも優美な、縦12メートル、横約6メートルにもなる大型涅槃図です。東福寺の涅槃会は「大涅槃図御開帳」の場とされ、いつもは非公開である本堂を特別に公開し、涅槃図を拝観できるようになっています。東福寺の涅槃会は3月15日を中心に行われ、14日から16日の間、特別公開が行われます。
涅槃会では甘酒が振る舞われるほか、お釈迦様の骨を模したものとされるお団子や「花供御」(はなくそ)と呼ばれるお菓子が配られるお寺もあります。お菓子の内容はお供えの鏡餅を小さく刻み、砂糖や醤油で炒ったものですが、なぜ「はなくそ」などという衝撃的な呼び名がついているのでしょうか。もとは「はなくご」と呼んでいたものが「お釈迦様のはなくそってこと?」と揶揄され、「はなくそ」になったとのことです。あられの形状や色から「はなくそ」を連想した当時の人々もすごいですが、それを許したお寺も、なんとも度量が大きいですね。
以上、涅槃会について解説しました。お釈迦様の命日にあたる、大事な法要です。なかには滅多に公開されない涅槃図もあり、拝観できる貴重なチャンスでもあります。仏教美術に興味のある人はもちろんのこと、観光旅行の一環でお寺に立ち寄りたいという人も、時期が合えばぜひ涅槃会に足を運んでみましょう。
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