MENU

桜葬とは?日本人の心にあった樹木葬のかたち|樹木葬辞典

樹木葬辞典 > 樹木葬の豆知識 > 樹木葬とは > 桜葬とは?日本人の心にあった樹木葬のかたち

桜葬とは?日本人の心にあった樹木葬のかたち

近年、桜葬(さくらそう)という、樹木葬の一種である埋葬(供養)方法が注目を集めているようです。日本人にとって桜というのは他の木よりも特別な存在です。そして桜に対して死や喪失をイメージする日本人も多いですよね。さらには、桜には命が宿っている、桜を切るとバチが当たる、など精霊信仰にも近い想いを抱く人も多いでしょう。そんな特別な存在である桜の木の下に死後眠る「桜葬」について、今回はご紹介します。

桜葬,桜


桜葬とは樹木葬の一種

桜葬とは、墓標に桜を使用した樹木葬のことです。樹木葬とは「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」及びそれを補う各都道府県の自治体条例に則り、地方公共団体もしくは宗教法人が運営する墓地に遺骨を埋葬し植樹する、あるいは先にシンボルツリーを植えて、その根元周辺を区画に分けて埋葬する形を言います。

前述のNPO法人が実施する桜葬は、このシンボルツリーが桜の木である事が大きな特徴と言えるでしょう。桜の木をシンボルツリーとする、あるいは桜の木の下に埋葬するならばどこの団体が行っても桜葬なのか、という点についてですが、これに関しては、認定NPO法人エンディングセンターが「桜葬」という言葉の商標登録を実は行っています。ですが、今回は桜を使用した樹木葬=桜葬として紹介していきます。

 

桜葬のポイント

それぞれの墓地によって桜葬の形態は異なりますが、ここでは桜葬の一般的な特徴を紹介します。

桜の木を墓標とすること

当然ながら桜の木を墓標とします。シンボルツリーとして、お墓参りに来る人々はこの桜に手を合わせます。

自然志向

きちんと土に還るように、遺骨は骨壺のまま埋めるのではなく骨壺から出して土に埋めます。

個別区画に柵を作らないこと

これにより全体として一つの大きな墓のようになっており、また、合同祭祀を行うことによりゆるやかな共同性が生まれるそうです。

継承者(承継者ともいいます)はいなくてもよい

継承者とは、その代々継いできたお墓の管理者となり、祭祀を主宰していく人のことです。この継承者がいなくても良いというのが桜葬、そして樹木葬の最大の特徴と言えます。

家族による管理を必要としないこと

従来の石のお墓ですと毎年墓石を掃除したり、お花などを供えたりと管理が必要でしたが、桜葬では墓石がなく墓標は桜の木であるため特別な管理をしなくてもよいのです。

宗教宗派を問わない

桜葬を採用している多くの霊園では宗教宗派を問いません。また国籍も問わないというところも増えています。

区画内は立ち入り禁止

遺骨の上を無暗に歩かぬように、納骨時以外は基本的に区画へ立ち入ることができません。これにより綺麗なお墓が保たれ、いつ来ても清々しい気持ちでお参りできます。

 

桜葬の種類 | 個別墓と合葬墓

埋葬を行う場合には、遺骨を1体(1家族)ずつ個別に埋葬する「個別墓」と、他の遺骨と同じ場所に埋葬する「合葬(がっそう)墓」があります。

桜葬の個別墓とは

従来のお墓は当然のごとく個別墓であり、遺骨は他の人と混ざること無く墓石の下に眠っていました。しかし、近年流行りの樹木葬では他の人の遺骨と一緒に埋葬される合葬墓(後述)も少なくありません。桜葬も同様で、桜をシンボルツリーとしてその下に合同で埋葬される場所もあります。個別墓であれば一区画に一体だけ、もしくは二人、三人など家族や兄弟のみの埋葬となります。霊園によって個別墓の中にも一人用、夫婦用、家族用など様々な種類があるということです。この個別墓の場合は埋葬された場所が分かるようにプレートが置かれていたり、目印があったりするのでお墓参りの際にも困りません。

桜葬の合葬墓とは

一般に合葬墓というと、広い土地を共有して個別の墓碑は無いものの遺骨は混ざらないように埋葬されるもの、もしくは故人を特定できない形で遺骨が混ざるかたちのもの、という両方の意味を持つことが有りますが、ここでは後者の意味での合葬墓を指します。桜葬は元々個別の墓標は設けずシンボルツリーに手を合わせるタイプですが、さらに一体一体区画を分けず、他の人と遺骨が混ざるようなタイプもあります。このタイプが一番費用が安く抑えられますが、埋葬後・納骨後には遺骨を取り出すことができないので注意が必要です。

 

桜の木の下に合同で埋葬はされたいが他の人の遺骨とは混ざりたくない、区画は分けて置きたいという人は「個別墓」、とにかく自然に還れれば良い、費用を抑えたい、という人は「合葬墓」が良いでしょう。霊園によって名称は異なりますので、購入検討する際は、どのような形態で埋葬されるのか、遺骨はあとで取り出せるのか、など細かく管理者に確認しておくことが重要です。

 

桜葬ができた背景 | 墓地不足解消のための一手

桜葬,桜,樹木葬

桜葬は、自然葬や樹木葬の近年の広まりを受け、樹木葬を発展させる形で桜葬は誕生しました。では、なぜ墓標に使用される数ある樹木の中で桜だけがフィーチャーされたのでしょうか。それはやはり冒頭に述べた通り、日本人にとって特別な木であるからと言えます。菊と並び日本の国花とされているほど日本人に親しみのある木です。また、桜と死や喪失を結びつける形は多くの日本人を惹きつけます。このため、この樹木葬という埋葬方法にちょうどよく、桜をシンボルツリーとする桜葬となり、そして、人々の支持を集めるようになったのでしょう。

また、別の側面から見ていくと、都心の墓地不足が影響しているという見方もあります。一人ひとり樹木を植える形であると広いスペースを必要とし、都心でそのような場所を見つけるのは難しいでしょう。しかし、桜葬であれば墓標はひとつ、シンボルツリーとしての桜のみとなり限られたスペースを上手く使うことができます。そのため運営側としても効率よく多くの人を受け入れることができ、さらに見た目も良いということで採用する霊園が増えたのではないでしょうか。通常の樹木葬でも小さなスペースに多くの人を埋葬するタイプもありますが、シンボルツリーは無いことが多く、樹木葬を希望する人のニーズに合わないことがあります。それに比べて桜であれば一本でも大きな存在感があり、花も咲くので、都心でも自然を感じたい、見た目も気にしたいという人々の希望にマッチしていたのではないでしょうか。

 

このように、桜そのものの価値と、樹木葬という多くの人を同じ区画に埋葬できるという性質、そして人々のニーズがマッチして確立されたのが桜葬だと考えられます。

 

桜葬についてのまとめ

春になると華やかに咲き、人々の心に色を残して儚く散りゆく花、桜。日本人に親しまれ長く愛されている桜の木の下で安らかに眠るのも、なかなかに素敵な人生の締めくくりではないでしょうか。今後も桜を墓標にした樹木葬は増えていくと思われますが今のところあまり数は多くないので、興味を持った人はお早めにお問い合わせすることをおすすめします。

関連記事:桜葬ができるおすすめの樹木葬5つ~関東編~

 

▽当サイトではおすすめの樹木葬ランキングや自然葬や永代供養墓についても解説しています。是非ご参照ください。>>樹木葬辞典|樹木葬の総合情報サイト


あわせて読みたい

樹木葬の生前購入

樹木葬の購入は65歳ごろから考え始めよう

樹木葬は近年話題のお墓のかたちであり、特に樹木葬は一代限りの永代供養であることが多い為、生前に購入される人が目立っています。ご本人や子孫たちのライフステージにもよりますが、65歳位までにはお墓を準備してもよいかもしれません。

樹木葬が安い理由

樹木葬は本当に費用を抑えられるの?安い理由と注意点

樹木葬にかかる費用は、管理している霊園や墓地により価格差はありますが、相場は10〜90万円です。一方で通常の石のお墓の場合は、150〜300万円が相場です。なぜ樹木葬は費用が安いのか、どんな条件によって費用は変わってくるのかについて、注意点も交えながら紹介します。

樹木葬のイメージで光が森に降り注いでいる

樹木葬とは?メリットと選ぶ上の注意点

近年急速に普及している樹木葬。樹木葬とは、簡単に言うと墓石を使用せず、樹木や草花に囲まれた場所に埋葬するお墓を指します。ここでは、樹木葬が人気となっているポイントや樹木葬を検討する上での注意点について紹介します。

一覧に戻る

カテゴリ検索

東京・樹木葬ランキング

第1位

樹木葬・東京 | 風の丘樹木葬墓地(かぜのおかじゅもくそうぼち)

詳細を見る

第2位

樹木葬・東京 | 町田いずみ浄苑(まちだいずみじょうえん)

詳細を見る

第3位

樹木葬・東京|えにし庭苑(えにしていえん)

詳細を見る

第4位

樹木葬・東京 | 水元公園ともしびの郷樹木葬(みなもとこうえんともしびのさとじゅもくそう)

詳細を見る

第5位

樹木葬・東京 | 本行寺樹林墓地「そせい」(ほんぎょうじじゅりんぼりそせい)

詳細を見る

  • 東京の樹木葬
  • 関東の樹木葬

最新の樹木葬の豆知識

関連サイト

運営者情報

ページの先頭へ