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共同墓地とは?共同で墓地を使用する供養法|樹木葬辞典
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共同墓地という言葉を見たとき、どんなイメージが湧くでしょうか。一昔前と今では、共同墓地が表す意味もイメージも変わってきています。正確な意味をとるのが難しい共同墓地について解説します。
共同墓地とはもともと、地域のコミュニティーが管理しその構成員が使用する墓地のことを指していました。そのため、ずっと都心に住んでいる人はあまりピンとこないかもしれませんが、地方には今でも使われている共同墓地がたくさんあります。町はずれなどで、10数個程度のお墓が集合している地帯を見たことはありませんか?共同墓地とは「●●霊園」などといった立派な看板がなく、規模も小さいのが特徴です。例えば寺院墓地の管理者はお寺で、公営霊園の管理者は自治体ですが、共同墓地の管理者はその墓地を使う自治会になります。強いていえば、持ち回りで決まる「町内会長」などが、共同墓地の責任者となります。この意味での共同墓地は村落単位で使う墓地のため、使用者を公募するようなことは考えられません。そのため霊園などのチラシで「共同墓地」の募集をしている広告文を見かけた場合、本来「共同墓地」の意味とは違う使われ方をしていると思ってよいでしょう。
しかし最近では「コミュニティーが管理する墓地」という意味はそのままに、地域ではなくNPO法人や介護施設が共同墓地を有していることがあります。NPO法人が共同墓地を有している場合は、同じ思想を持った人や同じ境遇の人が、安心して仲間と眠れるようにという願いが込められています。おひとり様や「夫の実家の墓には入りたくない」という女性などが、共同墓地の構成員として考えられます。一方、介護施設が共同墓地を有する場合は、いっときでも同じ屋根の下で暮らした人たちのためのお墓という意味を持ちます。意味合いとしては、村落単位での共同墓地にかなり近いといっていいでしょう。なにより、介護施設に入居すればお墓に入るまで面倒を見てもらえるということは、身寄りのない高齢者にとって十分な安心要素となります。新しい介護施設のあり方として、注目を浴びつつある形態です。
最近では、「共同」という言葉のイメージから、「一つのお墓にたくさんの人が眠るお墓」であると理解されることもあります。この場合、多くは「共同墓地」ではなく「共同墓」あるいは「共用墓」などと呼ばれ、あくまで一つのお墓であることを表しています。もともとの共同墓地は村落単位で管理する墓地ではあっても、お墓自体は家族単位で建てられる個別の継承墓でした。一方、最近出てきた「共同墓」は、一つの墓地区画に数人分の骨壺を埋葬するお墓を指します。1つの墓地区画を共同で使用するのは、血縁者に限りません。管理者側の募集によってランダムに決まることもあれば、友人などを誘いあって一つの墓に入ることもあります。このため、数年前から共同墓に一緒に入ることを決めた人のことを「墓友」と呼ぶ傾向が生まれました。「共同墓」という名称が一般的ですが、「共用墓」や「共同墓地」と書かれる場合もあり、明確な違いはないようです。
前項で、一つのお墓に複数の納骨がなされる「共同墓」を紹介しましたが、よりたくさんの遺骨を大きな供養塔などのもとに埋葬するお墓のことを「合祀墓」と呼びます。合祀墓には骨壺ごと納骨されるタイプと、骨壺から遺骨をあけて他の遺骨と一緒に供養されるタイプがあります。いずれにしろ、一度納骨したらもう取り出せない合祀墓がほとんどです。この合祀墓を、共同墓地と呼ぶ場合もまれにあります。やはり「共同」という言葉のイメージから、共同墓地という言葉があてられているといえるでしょう。共同墓地の正しい定義が存在しない以上、合祀墓をして共同墓地と示す人がいても、はっきりと間違いであるとはいえません。
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以上、共同墓地の意味用法をお伝えしました。1つのコミュニティーが管理する墓地と考えておけば間違いはありませんが、さまざまな使用例があり、どれも間違いではありません。それはお墓の種類に関する定義が漠然としていることが原因で、他に「合葬墓」「集合墓」といった用語についても同じことがいえます。お墓を示す用語を見かけたときには、語感のイメージだけで判断することなく、どのような墓なのかじっくり確認してみましょう。
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